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オフセット印刷に必要不可欠な版を作る製版機(アナログとCTP製版の違い)
2015/04/14


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前回の印刷機特集に続いて今回はオフセット印刷機の版を作るCTP製版についてご紹介します☆
 
目次
①製版機について
②従来の製版とCTP製版の違い
③CTPのメリット、デメリットについて
 
 
①製版機について
*製版機とは…印刷を行う際に必要な版を作る機械です。
 
版を必要とする印刷はオフセット印刷やグラビア印刷などといった印刷方式で、主に大量印刷を行う印刷業者が使用します。
一方、インクジェットやトナーを使用する印刷は版を必要とせず、こちらはオンデマンド印刷といいます。
こちらは少量印刷向きなので、家庭で使われることが多いです。
 
その他にもこの記事で出てくる専門用語をピックアップしてご説明します☆
       
*CTP…コンピューター・トゥ・プレートの略で、
   コンピューターで作成したデータを直接プレートに焼き付けることを言います。
 
*RIP…ラスターイメージプロセッサの略で、
   プレートに出力したいデータを印刷仕様に処理してくれるコンピューターソフトのようなものです。
 
 
②従来の製版とCTP製版の違い
従来の製版の流れ
台紙に写真や文字を貼り付け印刷したいデザインを作成
罫線やトンボを引く(版下の完成)
作成した版下を製版用のカメラで撮影してフィルムを作成
製版を行う前に写真の配置や色味などの最終確認
フィルムをプレートに焼き付けて製版
 
CTP製版の流れ
製版したいデータを作成
データを直接プレートに焼き付けて製版
 
従来の方法ですとフィルムを出力する作業が必要となり、
更にフィルムをプレートに貼る作業を手動で行っていた為、
仕上がりにバラつきがでてしまったり、製版作業に時間がかかっていました。
(カラーで印刷を行う場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの版を重ねなければならないので、更に時間がかかります...)
 
その後CTPが登場したことで、仕上がりや作業時間、コスト等あらゆる面で従来の問題を解決してくれたのです。
 
 
③CTPのメリット、デメリットについて
CTP製版のメリット
 
・高画質の印刷を実現
→5%以下の網点も表現出来るので、従来より高画質の印刷が可能です。
 
・安定した品質の版を作成可能
→焼き付けの作業が無くなり直接製版出来るので、版の品質に差が出ることもありません。
 
・作業スピードUP
→フィルムを必要とせず、作業の手間を省くことができるので、短期間で製版することが出来ます。
 
・コスト削減
→製版作業が早くなるだけでなく、直接製版をすることでコストを削減することも出来ます。
 
・環境に優しい
→フィルムは有害物質を使用することがあり、処分されることが多いので、
 余計な物を使わないCTPは環境にも優しいのです。
 
 
CTP製版のデメリット
 
・CTP出力後に訂正がある場合、無駄にコストがかかる
→直接版に出力するので、失敗した場合や、作り直す場合は版材のコストがかかってしまいます。
 
・パソコンとOSに合わせたソフト(RIP)が必要
→パソコンを使って出力を行うので、プリンタと同じようにOSに合わせたソフトが必要です。
 
もちろんデメリットもあるのですが、圧倒的にメリットが多いCTP製版。
現在ではCTPが主流と言えるほど市場に出回りました。
 
製版方法も進化してきているようですので、CTPを超える機械が登場する日もそう遠くはないかもしれません...☆
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆おまけ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 
製版と印刷を1台でこなしてくれる、デジタル印刷機という優れものもあります!
見た目はコピー機のようなものなのですが、同じ機械で版の作成から印刷まで行うので、
オフセット印刷のように大量印刷に最適です。
 
オフセット印刷よりも魅力的な点は、
・CTPやイメージセッターなどの専用機械を使わずに済むのでコストの削減になる
・製版から印刷まで一貫して行うことが出来るので短時間での印刷が可能
 
このような印刷機もあるので、用途や予算に合わせて印刷方式を選択したいものです。
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 
 
以上、CTP製版についてのご紹介でした!
 
<初心者向け中古機械販売サイト「カミカッコー」に掲載中の製版機械一覧>
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