今回は製本種類の中で大きく2つに分けられる、並製本と上製本についてご紹介します。
◆目次◆
★並製本について★
1.種類
2.工程
★上製本について★
3.種類
4.工程
★並製本について★
並製本は上製本に比べて、簡易的な製本方法になります。
そのため生産コストが安く、短時間で製本できるのがメリットです。
1.並製本の種類
並製本には主に4種類の製本方法が用いられます。
①中綴じ
→2つ折り用紙の中心部分に針金で留める方法です。
ノド(中心部分)まで開くことができますが、耐久性には欠けます。
カタログやパンフレットなど枚数の少ない製本に最適です。
②平綴じ
→折った用紙を重ねていき、背の部分を針金で留める方法です。
頑丈に作ることはできますが、ノドまで開くことができません。
参考書や説明書などの少し厚めの製本に向いています。
③無線綴じ
→上記2つと異なり、針金を使わずに糊で接着をして製本する方法です。
ミーリング※をするとより丈夫な本をつくることができます。
厚手の雑誌や週刊誌など様々な用途に使われています。
※ミーリングとは・・・背の部分に少しキズを付け、糊付きを良くする方法です。
↓中綴じ平綴じについては、過去のブログにも掲載しています☆↓
④アジロ綴じ
→無線綴じと同じ糊付け製本ですが、より強度のある製本ができる方法です。
背の部分にスリットを入れて糊付けをするのが特徴です。
こちらの製法は上製本でも使われることがあります。
※画像は、書籍「製本加工ハンドブック(日本印刷技術協会様 編・著)」より転載。
2.工程
今回は無線綴じの工程を簡単にご紹介します☆
①印刷した紙を折る
ページ順になるように折っていきます。
②本文を丁合
折った紙を丁合し、本文(本の中身)を作ります。
③本文の背部分をミーリング
丁合した本文の背に糊付きを良くするためのキズを付けます。
④背部分に糊付け
本文の背にキズを付けたら、ホットメルトという糊を塗っていきます。
⑤表紙付け
本文に表紙を貼り付けます。
⑥断裁仕上げ
天、小口、地と呼ばれる三方を仕上げ寸法に断裁し、キレイにします。
⑦完成
★上製本について★
並製本よりもしっかりとした表紙を使用し、本文と表紙を別々に作った後に貼り合わせます。
上製本は作業工程が多いので、コストと時間がかかってしまいますが、
頑丈な造りなので、壊れにくく長持ちします。
※画像は、書籍「製本加工ハンドブック(日本印刷技術協会様 編・著)」より転載。
アルバムや辞書などの製本で使われているのが上製本です。
表紙は布や皮等を使用するので、高級感のある本を作ることができます。
3.上製本の種類
上製本の背の部分は「角背」と「丸背」の2種類があります。
名前の通り、角背は背の部分が平らになっており、丸背は丸みを帯びた背になります。
また上製本の背は3種類あります。
①ホローバック
→背の部分が空洞になっています。
②タイトバック
→背の部分と本文が接着されています。
③フレキシブルバック(丸背のみ)
→背の部分と本文が接着されており、背には柔らかい素材が使われています。
背が柔らかいので開きやすいですが、壊れやすいのがデメリットです。
それぞれメリット・デメリットがあるので、予算や用途によって使い分けましょう♪
4.工程
今回は糸かがりの工程をご紹介します☆
①印刷した紙を折る
ページ順になるように折っていきます。
②見返し紙を貼る
本文と表紙を貼り合わせるための紙を最初と最後のページに貼ります。
③本文を丁合
折った紙を丁合し、本文を作ります。
④糸綴じ(かがり)
丁合した本文の背に糸を通し綴じていきます。
⑤下固め
綴じた本文の背に糊を付け固めます。
⑥断裁仕上げ
天、小口、地と呼ばれる三方を仕上げ寸法に断裁し、キレイにします。
⑦スピン入れ
細いヒモ(スピン)を本文にはさみ、背に固定します。
※スピンはしおりのことです。
⑧丸出し
型に当てて背に丸みをだします。
⑨表紙付け
本文の見返し部分に表紙を貼り付けます。
⑩本に圧力をかける
最後の仕上げに圧力をかけます。
⑪完成
上製本は並製本よりも工程が多く、より丁寧に作られるのが分かります。
製本とひとくくりに言っても様々な種類があります。
本文の厚さや用途、予算に合わせて製本方法を使い分けるといいですね♪
以上、上製本・並製本についてのご紹介でした☆
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